中村生活記録運動

私、中村の生活を記録するだけ

プロレスとの出会い(1)

 生まれて初めてプロレスをテレビで観たとき、なんだこれはと思った。
 
 きっかけは、僕が中学校時代、友達から「今日の深夜に面白いテレビがある。一回見てみろ。」と言われた。番組名も内容も教えられず、放送時間だけを伝えられる。新聞もろくに見ずに言われた時間の録画を試みる。そんな僕を横目で見ていた姉に「やらしい番組じゃないの?」と疑われた。僕も少しそれを期待していた。深夜に放送している、面白い番組なんだから。
 
 次の日、運よく家族が出払って、誰も居ない居間でわくわくしながらビデオを流す。画面には、リングに立つ、上半身裸の男達が映っていた。
 
 内容は、2007,8年の新日本プロレスの旗揚げ記念興業かファン感謝祭の6人タッグマッチ。覆面姿の中西学がリングに居た。
試合中、実況が「一体、何者なんだ!?」と叫んでいたが、身体つきから正体は明らかだった。試合終盤、中西学自らがおもむろにマスクを取る。実況は相変わらずその正体に驚いている。リング上のレスラー達も驚きを隠せない様子。しかし、場内は笑いに包まれている中、試合は終わった。
 
 ビデオを見終わる。おかしい。僕が期待していた面白さはそこには無かった。たしかに裸は映っていたが、僕が思っていた裸とは違う。
こんなはずは無い、たまたま放送時間がずれたか何かで、運悪く格闘技番組が録画されてしまったのだ。とりあえず来週も同じ時間を録画をしてみよう。
この諦めの悪さが、僕をプロレス好きにした。
 
 ただ一つ、ぼんやりと見ていた中、誰かが放ったコーナーからのドロップキックに、凄いなぁと思ったことだけ覚えている。
 
 これがプロレスとのファーストコンタクトだった。