中村生活記録運動

私、中村の生活を記録するだけ

プロレスとの出会い(2)

 衝撃の初プロレスから一週間後、今度こそはと思い、また同じ時間を録画した。翌日、前回同様に僕しか居ない居間のテレビから流れたのは、お馴染みの新日本のOPだった。
 
 またか。そう思いながらビデオを見る。試合の内容は覚えていない。覚えているのは、前回見た時と試合の様子が違うということ。レスラーにも観客にも緊張感がある。
 
 気づいたら食い入るように見入っていた。今まで見た格闘技と違う、華やかさがそこにはあった。殴る、蹴る、関節を決めるだけではない。腕で、身体で相手にぶつかり、ぶん投げる、持ち上げて落とす、技も選手名も何一つ分からなかったが、屈強な男たちが闘う姿に興奮していた。画面には、当時IWGPヘビー級チャンピオンの棚橋弘至が映っていた。僕が生まれて初めて好きになったレスラーだ。
それから、毎週欠かさず録画するようになった。選手も技名も少しづつ覚えていった。
 
 一番古い記憶をたどると初めてみたタイトル戦は、IWGPヘビー級の王者棚橋弘至VS挑戦者金本浩二。2007/2/18の試合。金本はJrヘビーの選手。体重差は10キロ以上ある。当然苦戦をしいられるが執拗に得意のアンクルホールドで攻めていた。テレビの前で興奮しながら、ふと横を見ると父が同じように画面を見ていた。
 
 こうして、運が良かったのか悪かったのか、一人のプロレスファンが生まれた。このとき、4年後に自分がプロレスラーとしてリングに上がるとは、これっぽっちも予想出来なかった。